目隠しフェンスの見積書を見て、「思っていたより高い」と感じていませんか。
金額だけを見ると、どこを見直せるのか、どの工事が必要なのかが分かりにくいものです。しかし、目隠しフェンスの見積金額は、①目隠しする範囲、②選んだ商品、③現場の状態で決まる工事の3つに分けると整理しやすくなります。
範囲と商品は、目隠しの目的を保ちながら見直せる可能性があります。一方、独立基礎やコア抜きなどの現場工事は、金額だけで外すのではなく、まず必要な理由を施工店へ確認する項目です。

この記事では、エクステリアの全国販売に約20年携わってきた経験をもとに、当店の一般的な見積書を例に、見積書の項目、金額が変わる理由、施工店へ確認する質問、予算を見直す順番まで解説します。会社によって項目名や表示方法は異なるため、他社の見積書で内容が分からない場合は、その見積書を作成した施工店へ確認してください。
動画で先に確認したい方へ
同じ内容を、実際の見積書の主な項目や施工図を見ながら約13分で解説しています。
フェンスの見積書は意外とシンプル
フェンスの見積書を大きく分けると、商品代と工事代です。工事代には、柱を立てて本体を取り付ける基本工事と、現場に応じて必要になる工事があります。

商品代:フェンス本体一式
当店の見積書では、メーカー定価と、そこから割引した税抜きの販売価格を表示しています。ここでいう「本体一式」には、フェンス本体、柱、本体を取り付けるために必要な部品が含まれます。
通常は、本体が何枚、柱が何本、部品がいくつと細かく分けず、本体一式として表示します。ただし、複雑な拾い出しでは、本体、柱、部品を分けて記載することもあります。「一式」とだけ書かれていて何が含まれるか分からないときは、見積書を作成した施工店へ確認してください。
工事代:基本工事と現場に応じた工事
基本工事は、用意された基礎やブロックの穴へ柱を設置し、その柱にフェンス本体を取り付ける工事です。商品の種類が変わっても、柱を立てて本体を取り付けるという基本的な作業は同じです。
ただし、1段ではなく2段、3段と本体を取り付ける多段フェンスでは、取り付ける本体が増えるため、商品代と工事代の両方が増えます。
柱を固定するための基礎や穴が用意されていない場合は、現場に応じた工事が加わります。地面へ立てるなら独立基礎、ブロックに使える既存穴があればその穴を使い、使える穴がなければコア抜きで新しい穴を開けます。既存フェンスの撤去・処分や、ブロックの新設・積み直しが必要な現場では、それらも別に加わります。
見積書の中心は「商品+基本工事」です。現場の状態によって、基礎・穴・撤去・ブロックなどの必要な工事が加わります。
見積金額を左右する3つの要因
ここから説明する3つは、見積書に書かれた項目名ではなく、金額が変わる理由を整理するための分け方です。
| 確認する要因 | 主な確認内容 | 予算を見直すとき |
|---|---|---|
| ①目隠しする範囲 | 横幅・完成時の高さ | 必要な視線を遮れる範囲に絞れているか |
| ②選んだ商品 | 商品の種類・目隠し率・選択カラー・木調仕様 | 目的を満たす商品の中で比較する |
| ③現場で決まる工事 | 独立基礎・既存穴・コア抜きなど | 外す前に必要な理由を施工店へ確認する |
「高い」の理由を、3つへ振り分けてみる
例えば、当初はリビング前だけを隠すつもりだったのに、見積書ではお庭の端まで同じ高さで計画されているなら、まず「範囲」を確認します。横幅が長ければ、フェンス本体だけでなく、柱、必要な部品、工事の量も増えます。
横幅と完成高さが希望どおりなら、次に「商品」を見ます。目隠し率の高い商品、木調仕様、多段フェンスなど、ご自身が希望した条件が金額へ反映されているかを確かめます。ここで大切なのは、高い商品が悪いと考えるのではなく、目的に必要な条件と一致しているかを見ることです。
範囲と商品にも問題がなければ、「現場工事」を確認します。独立基礎やコア抜きが記載されているなら、柱を立てる場所とブロックの穴の状態を聞きます。この順番なら、必要な工事を先に削ってしまうことなく、見直せる可能性がある部分から確認できます。
1つ目:目隠しする範囲
最初に確認するのは、目隠しフェンスを設置する横幅と、完成時の高さです。
横幅は「本当に隠したい場所」で考える
横幅が長くなるほど、本体の枚数、柱、必要な部品、工事の量が増えます。見積書や図面で、何メートル施工する計画になっているかを確認してください。
例えば、道路からリビングが見える部分だけを隠したいのに、敷地の端から端まで同じ高さの目隠しフェンスを入れると、費用だけでなく圧迫感も大きくなります。道路から視線が入る部分だけでよいのか、お庭全体を囲う必要があるのか。目的を確認すると、横幅を見直せることがあります。
高さは本体だけでなく、地面から上端まで確認する
見積書に「T-12」と書かれていれば、フェンス本体の高さは約1.2メートルです。ただし、実際に視線を遮れるかどうかは、本体の高さだけでは決まりません。

道路とお庭の高低差、ブロックの高さ、フェンス下のすき間まで含めて、道路側とお庭側それぞれの地面からフェンス上端までが何メートルになるのかを確認します。
道路を歩く人の視線を遮るなら、道路側の地面からおよそ1.8メートルが1つの目安です。ただし、道路よりお庭が高ければ、必要なフェンス本体の高さが低くなる場合があります。反対にお庭が低ければ、同じ本体高さでも目隠しが足りないことがあります。
予算のために高さだけを下げると、肝心の視線を遮れなくなるかもしれません。必要な視線の位置を施工店と共有し、横幅と完成高さを一緒に決めることが大切です。
2つ目:どの商品を選んでいるか
次に、見積書へ入っている商品を確認します。見るのは、メーカー名、商品名、商品の種類、目隠し率、選択カラー、木調仕様です。

商品の種類と目隠し率
例えば、LIXILさんのフェンスABでも、横スリットのYS3型はカタログ上の目隠し率88.6%、横ルーバーのYL2型は100%です。同じ「目隠しフェンス」でも、外からの見え方や風の通り方は同じではありません。
完全に視線を遮りたい場所なのか、少しすき間があっても目的を満たせる場所なのか。必要な目隠し率を先に決めると、目的に合う商品の種類を比較しやすくなります。
選択カラーと木調仕様
選べる内容は商品によって異なります。アルミ色だけの商品もあれば、片面木調や両面木調を選べる商品もあります。アルミ色、片面木調、両面木調のすべてを選べる商品は限られます。

木調にしたいけれど予算を抑えたい場合は、よく見える側だけを木調にする片面木調が候補になります。道路側とお庭側のどちらの見え方を優先するのかを決めてください。
カラーによる価格差がある場合もあります。例えば、ダスクグレーは、ほかのアルミ色と価格が異なります。見積書に記載された正式なカラー名と木調仕様が、希望した内容になっているかを確認しましょう。
商品と工事費を含む概算を先に確認できます
当店のウェブサイトでは、商品、高さ、長さなどを選ぶと、お名前や連絡先を入力する前に商品代・工事代・税込合計の概算を確認できます。正式な工事内容と金額は、現場調査後に決まります。
3つ目:現場の状態で決まる工事
3つ目は、柱をどこへ、どのように立てるかです。ここは、範囲や商品のように予算だけで自由に変える項目ではありません。

- 地面に柱を立てる:柱ごとに基礎を作る独立基礎工事
- ブロックに使える既存穴がある:その穴へ柱を立てるため、独立基礎もコア抜きも追加しない
- ブロックに使える穴がない:コア抜き工事で新しく穴を開ける
独立基礎とコア抜きは、同じ柱へ一緒に行う工事ではありません。ただし、地面に立てる柱とブロックに立てる柱が混在する現場なら、見積書全体に両方の工事が記載されることはあります。
独立基礎やコア抜きは、見積金額を高くするために付ける項目ではなく、柱を立てる場所と既存穴の有無から決まります。見積書だけで判断できない場合は、施工店へ次のように確認してください。
柱は地面とブロックのどちらへ立てる計画ですか? 独立基礎、既存穴、コア抜きのどの計画ですか?
見積書を確認する順番
実際に見積書を見るときは、次の順番に並べると整理しやすくなります。
- 商品:本体一式の欄で、商品名、商品の種類、選択カラー、木調仕様、横幅、高さが希望どおりか確認する。メーカー定価と税抜きの販売価格がどこに記載されているかを見る。
- 基本工事:柱を立てて本体を取り付ける工事が入っているか、多段フェンスなら段数に応じた内容か確認する。
- 柱を立てるための工事:独立基礎、ブロックの既存穴、コア抜きのどの計画か確認する。
- 該当する場合だけ加わる工事:既存フェンスの撤去・処分、ブロック工事などが入っているか確認する。
工事一式とだけ書かれていて分からない場合は、「商品、基本工事、現場に応じた工事、その他の工事に分けると、何が含まれていますか?」と契約前に確認すると整理しやすくなります。
施工店へ確認するときの質問
見積書の書き方は会社ごとに違うため、項目名だけで判断しにくい場合があります。分からない言葉をそのままにせず、次のように具体的に聞くと、範囲・商品・工事へ分けて説明してもらいやすくなります。
- 目隠しフェンスは、どこからどこまで何メートル設置する計画ですか?
- 道路側とお庭側の地面から、フェンス上端までの完成高さは何メートルですか?
- 見積書の本体一式には、何が含まれていますか?
- メーカー名、商品名、商品の種類、選択カラー、木調仕様はどれですか?
- 柱は地面へ立てますか、それともブロックへ立てますか?
- ブロックへ立てる場合、使える既存穴がありますか、コア抜きが必要ですか?
- 撤去・処分やブロック工事など、基本工事以外に入っている工事はありますか?
質問の目的は、値引きを求めることではありません。希望した目隠しの範囲と商品が見積書へ正しく反映され、現場工事にも必要な理由があることを確認するためです。内容が分かれば、どこを変えたときに目的が変わるのかも判断しやすくなります。
予算を見直すなら、範囲から順番に

見積金額を見直したい場合は、最初に目隠しする範囲を確認します。横幅は本当に必要な場所に絞れているか、完成高さは遮りたい視線の位置に合っているかを見直します。
次に商品です。必要な目隠し率を満たす商品の中で、選べるカラーや木調仕様を確認します。範囲と商品は、目隠しの目的を保ちながら調整できる可能性があります。
ただし、見積書に書かれた金額からご自身で一部を差し引くのではなく、変更した横幅、高さ、商品、カラーで見積書を作り直してもらってください。条件が変われば、本体の枚数、柱、必要な部品、工事内容も変わるためです。
一方、独立基礎やコア抜きなどの現場工事は、現場の状態から決まります。金額だけを理由に外さず、なぜその工事が必要なのかを施工店へ確認しましょう。
見直した後は、必ず再見積もりを依頼する
横幅、高さ、商品、カラーのどれかを変えると、必要な本体の枚数や柱の本数、部品、工事量も変わることがあります。そのため、元の見積書から単純に「本体1枚分」「工事1か所分」を引いて、変更後の金額を計算することはできません。
「道路からリビングが見える部分だけに横幅を変更したい」「目隠し率は保ったまま、別の商品や選択カラーを比較したい」のように、残したい目的と変更したい条件を施工店へ伝え、新しい条件で見積書を作り直してもらってください。変更前後を比べることで、どの条件が金額へ影響したのかも分かりやすくなります。
見積もり前の方は工事費込みの相場から確認
この記事は、見積書を受け取った後に中身を整理するための解説です。まだ見積もりを取る前で、予算の目安を知りたい方は、目隠しフェンスの工事費込みの相場を解説した記事をご覧ください。
先に相場記事で予算の大きさをつかみ、見積書を受け取った後にこの記事で「範囲・商品・現場工事」を確認すると、ご自身の計画で金額が変わった理由を整理しやすくなります。
目隠しフェンスの見積書でよくある質問
他社の見積書でも、3つの分け方は使えますか?
範囲・商品・現場工事という確認の順番は使えます。ただし、「本体一式」に含める内容や工事の項目名、税抜き・税込みの表示方法は会社によって異なります。この記事で説明した当店の表示をそのまま当てはめず、分からない項目は見積書を作成した施工店へ確認してください。
独立基礎とコア抜きが両方書かれていたら間違いですか?
同じ柱へ独立基礎とコア抜きを一緒に行うことはありません。しかし、地面に立てる柱と、ブロックに立てる柱が同じ現場にある場合は、見積書全体に両方の工事が載ることがあります。どの柱へ、どの工事を行う計画なのかを確認してください。
見積書を見ただけで、不要な工事か判断できますか?
項目名と金額だけでは、現場の状態や柱位置まで判断できません。独立基礎、既存穴、コア抜きのどれを使うのか、施工店が確認した現場条件とあわせて説明を受けてください。そのうえで範囲や商品を変更したい場合は、変更後の条件で再見積もりを依頼します。
まとめ
- フェンスの見積書は、商品と基本工事が中心。現場に応じた工事が必要な場合に加わる
- 当店の本体一式には、本体、柱、取り付けに必要な部品が含まれる
- 見積金額は、①目隠しする範囲、②選んだ商品、③現場で決まる工事に分ける
- 高さは、本体の高さだけでなく道路側とお庭側の地面から上端まで確認する
- 商品の種類、目隠し率、選択カラー、木調仕様が希望どおりか確認する
- 地面なら独立基礎、ブロックに使える穴があれば追加なし、使える穴がなければコア抜き
- 予算を見直すときは範囲と商品から。現場工事は必要な理由を確認する
概算の確認から、正式な見積もりへ
商品、高さ、長さなどを選ぶだけで、登録前に商品代・工事代・税込合計の概算を確認できます。表示される概算は初期設定や選択条件によって変わり、ご依頼は契約ではありません。設置場所に合う正式な工事内容と金額は、現場調査後にご案内します。
この記事を書いた人:池本
エクステリア商品の全国販売に約20年携わり、商品選び、見積もり、現場調査、施工に関する情報を発信しています。
