「ベランダを部屋にしたい」その夢、LIXILサニージュで叶えませんか?専門家が解説

こんにちは、LIXIL商品の正規販売店、コウケンNETの池本です。

戸建てにお住まいの方から、「使っていない2階のベランダを、もっと活用できる部屋にしたい」というご相談をよくいただきます。洗濯物を干すだけのスペースではもったいない、書斎や趣味の空間、あるいはもう一部屋あったら…と夢が膨らみますよね。

そのお気持ち、とてもよくわかります。しかし、「ベランダを部屋にする」と一言でいっても、実はいくつかの方法があり、それぞれに大きな違いがあることはご存知でしょうか。本格的な「増築」から、もっと手軽に暮らしを便利にする「テラス囲い」まで、選択肢は様々です。

この記事では、エクステリアの専門家として、それぞれの方法のメリット・デメリット、そして特にご相談の多い2階ベランダの活用法として、LIXILのテラス囲い「サニージュ」のバルコニー納まりについて、詳しく、そして正直に解説していきます。あなたの理想の暮らしを実現するための、最適な答えがきっと見つかるはずです。

目次

「ベランダを部屋にする」前に知っておきたい!増築とテラス囲いの違い

「ベランダを部屋にしたい」と考えたとき、多くの方がイメージするのは、今のベランダがそのまま室内空間になることかもしれません。しかし、その実現方法には大きく分けて「本格的な増築」と「テラス囲いの設置」という2つの道があり、目的や費用、工事内容が全く異なります。まずはこの違いをしっかり理解することが、後悔しないリフォームの第一歩です。

夢の「もう一部屋」を実現する本格的な増築

「書斎や子供部屋、寝室として使える、完全に独立した部屋がほしい」というご要望を叶えるのが、この「増築」です。これは、既存のベランダを一度解体・撤去し、建物の構造と一体化した新しい部屋を文字通り「建てる」工事を指します。

工事は、壁や屋根を作り、断熱材を入れ、窓を取り付けるなど、家を建てるのと同じ工程を踏みます。そのため、気密性や断熱性は既存の部屋と遜色なく、一年中快適に過ごせる居住空間が手に入ります。しかし、その分、工事は大掛かりになります。費用は広さや仕様にもよりますが、6畳程度の部屋を増築する場合、150万円から200万円以上かかることも珍しくありません。坪単価で50万円程度がひとつの目安となるでしょう。

また、工事期間も数週間から数ヶ月に及ぶことがあります。法的な手続きも重要で、床面積が10平方メートルを超える増築の場合は、原則として自治体への「建築確認申請」が必要になります。そして、建物の一部として床面積が増えるため、翌年からの固定資産税も必ず増額されることを覚えておく必要があります。まさに「もう一部屋」を手に入れるための、本格的な建築工事と言えるでしょう。

もっと手軽な選択肢「テラス囲い」とは?

もっと手軽な選択肢「テラス囲い」とは?

本格的な増築ほどの居住性は求めないけれど、「今のベランダをもっと便利で快適な空間にしたい」という方に最適なのが、「テラス囲い」です。これは、既存のベランダの床や壁を活かし、アルミ製のフレームとガラスやパネルで空間を囲うリフォーム方法です。LIXILの「サニージュ」などが代表的な商品です。

テラス囲いの最大の目的は、「天候を気にしない、最高の洗濯物干しスペースの確保」にあります。突然の雨はもちろん、花粉や黄砂、PM2.5、鳥のフンなどから大切な洗濯物を守ってくれます。もう、空模様を気にして慌てて洗濯物を取り込む必要はありません。

もちろん、用途はそれだけではありません。椅子とテーブルを置いて読書を楽しむ趣味のスペースにしたり、ペットが安全に日向ぼっこできる場所にしたり、ガーデニング用品を置くなど、屋根のある半屋外空間として多目的に活用できます。

費用は一般的なサイズで工事費込み50万円台からと、増築に比べてかなり手頃で、工事期間も2〜3日程度と短いのが大きな魅力です。居住空間を作るのではなく、日々の暮らしの「困った」を解決し、生活の質を格段に向上させるための、賢い選択肢と言えるでしょう。

テラス囲いとサンルーム、似ているけれど実は違います

ここで、よく混同されがちな「テラス囲い」と「サンルーム」の違いについて、専門家として少し詳しくご説明します。実は、業界ではこの二つを区別して使うことが多いのです。

一般的に「サンルーム」と呼ばれるものは、コンクリートで基礎を打ち、より住宅に近い構造で作られます。そのため、テラス囲いよりも気密性や水密性が高く、雨仕舞いがしっかりしているのが特長です。その分、工事も大掛かりになり、費用も高くなる傾向があります。

一方、「テラス囲い」であるサニージュは、あくまでエクステリア商品という位置づけです。住宅のような完璧な気密性・水密性を保証するものではありません。もちろん、通常の雨であれば雨水が吹き込むことはほとんどありませんが、台風のような横殴りの暴風雨の際には、サッシの隙間などから多少雨水が侵入する可能性はゼロではありません。

この違いを理解することが、製品選びでとても重要になります。「部屋」に近い性能を求めるなら本格的なサンルームや増築、「洗濯物干し」や「趣味の空間」といった目的を、コストを抑えて実現したいのであれば「テラス囲い」が適している、というわけです。

気になる費用と税金の話

ここまでご説明した「増築」と「テラス囲い」の違いを、費用や税金の観点から表にまとめてみました。どちらがご自身の希望に近いか、比較してみてください。

特徴本格的な増築テラス囲い (サニージュ)
主な目的居室(寝室、書斎など)洗濯物干し、趣味スペース
気密性・水密性高い(部屋と同等)中程度(居室ではない)
費用の目安高額(150万円~)中程度(50万円台~)
工事期間長い(数週間~数か月)短い(2~3日程度)
固定資産税必ず増額自治体の判断による

この表で特に注目していただきたいのが、「固定資産税」の項目です。増築の場合は床面積が増えるため、必ず課税対象となり税額が上がります。

一方、テラス囲いの場合は少し複雑です。固定資産税の課税対象となる家屋は、「屋根があり、三方向以上が壁で囲まれ、土地に定着しているもの」と定義されています。テラス囲いはこの条件に当てはまる可能性があるため、自治体によっては課税対象と判断されることがあります。しかし、その判断基準は自治体によって異なり、全国一律ではありません。「簡易的な囲い」と見なされ、課税対象外となるケースもあるようです。

後から「知らなかった」と慌てないためにも、もしテラス囲いの設置を検討される際は、商品のカタログなどを持って、お住まいの自治体の資産税課などの窓口で事前に相談されることを強くお勧めします。

LIXILサニージュで2階の「ベランダを部屋にする」具体的な方法と注意点

さて、ここからは「本格的な部屋まではいらないけれど、2階のベランダを有効活用したい」という方に最もおすすめしたい、LIXILのテラス囲い「サニージュ」のバルコニー設置タイプについて、具体的な方法と、専門家だからこそお伝えしたい重要な注意点を解説していきます。

サニージュ「バルコニー納まり」なら2階への設置が可能です

「テラス囲いって、1階の庭に設置するものでは?」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。LIXILのサニージュには、2階のバルコニーに設置するために専用設計された「バルコニー納まり」というタイプがあります。

これを設置することで、今まで活用しきれていなかった2階のバルコニーが、非常に便利な全天候型のユーティリティスペースに生まれ変わります。例えば、寝室に隣接するバルコニーに設置すれば、朝起きてすぐに洗濯物を干し、雨が降ってきても全く気にする必要がありません。リビングから離れているため、来客時に洗濯物が見えてしまう心配もなくなります。

実際に設置されたお客様からは、「天気を気にせず布団が干せるようになった」「花粉の季節でも安心して外干しできるのが嬉しい」「ペットの猫が安心して日向ぼっこできるお気に入りの場所になった」といった喜びの声をたくさんいただいています。単にスペースが増えるだけでなく、日々の家事のストレスが軽減され、暮らしにゆとりが生まれる。それがサニージュの「バルコニー納まり」が提供する最大の価値です。

とても重要!サニージュ設置の厳しい条件とは

手軽に設置できるイメージのあるサニージュですが、特に2階のバルコニーに設置する場合、安全性を確保するために非常に厳格な設置条件が定められています。これは、お客様に長く安心して使っていただくための大切なルールです。ご検討の前に、ご自宅のバルコニーがこの条件を満たしているか、必ずご確認ください。

第一に、バルコニーのサイズ、特に「出幅(奥行き)」には制限があります。サニージュのバルコニー納まりが対応できる出幅は、最大で約1.8mまでです。これより広い奥行きのあるバルコニーには、残念ながら設置することができません。これは、建物の構造や風圧への耐久性を考慮した上での重要な規定です。

第二に、既存のバルコニーの手すりは、必ず一度撤去する必要があります。そして、サニージュ本体のフレームの一部となる、専用の手すり付きの構造に交換します。サニージュの正面の窓枠は、この専用手すりの上に固定される設計になっており、構造全体の強度を保つための非常に重要な部分です。

第三に、建物の壁への固定方法です。サニージュの屋根を支える一番重要な部分(垂木掛けといいます)は、外壁のサイディングボードに固定するのではなく、その奥にある家の柱や梁といった「構造躯体」に直接、頑丈なボルトで固定しなければなりません。これらの条件は、一見すると制約に感じるかもしれませんが、すべては台風や地震の際にも製品が脱落したり、転落事故が起きたりするのを防ぐための、不可欠な安全基準なのです。

夏は暑い?テラス囲いの正直なデメリットと賢い対策

ここで、テラス囲いを検討する際に必ず話題になる「夏の暑さ」について、正直にお話しなければなりません。結論から言うと、対策をしなければ、直射日光が当たるサニージュの内部は夏場、非常に高温になります。これは、住宅のような断熱材が入っておらず、ガラスとアルミで構成された構造上、避けられない特性です。

「そんなに暑くなるなら…」と心配になるかもしれませんが、ご安心ください。LIXILは、この問題を解決するための効果的なオプションを多数用意しています。これらを賢く組み合わせることで、室内の温度上昇を大幅に和らげることが可能です。

最も効果的な対策は、屋根材の選択です。通常のポリカーボネート板ではなく、「熱線吸収タイプ」の屋根材を選ぶことで、暑さの原因となる赤外線をカットし、室内温度の上昇を抑えることができます。

さらに、屋根の内側に取り付ける「内部日除け」も非常に人気のあるオプションです。必要な時だけシェードを引き出して直射日光を遮ることができるため、日差しのコントロールが自在に行えます。

そして、こもった熱気を外に逃がすための「換気」も重要です。オプションで窓の種類を風が通りやすい「採風ドア」や「縦すべり出し窓」にしたりすることで、空気の循環を促し、快適性を高めることができます。これらの対策を計画段階でしっかりと組み込むことが、暑さ対策の鍵となります。

しかし対策をしても、直射日光が当たり続ける場所では暑くなることはご注意点です。

最高の物干しスペースを作るための人気オプション

サニージュの真価は、なんといっても「洗濯物干しスペース」としての機能性の高さにあります。その使い勝手をさらに向上させるための、人気のオプションをご紹介します。

まず、ほとんどの方が選ばれるのが「物干し」です。特に人気が高いのが、天井から吊り下げる「上下可動物干し」。洗濯物を干すときは目線の高さまで竿を下げ、干し終わったら天井近くまで上げておけるので、足元のスペースを邪魔しません。腰をかがめずに楽な姿勢で作業できると、大変好評です。

床材も選ぶことができます。標準仕様は清掃しやすい塩化ビニル製のデッキボードですが、木の風合いを楽しめるフローリング調の床材なども用意されており、お好みの空間を演出できます。

また、プライバシーが気になる方のために、市販のカーテンを取り付けられる「カーテンレール」のオプションもございます。これらのオプションを組み合わせることで、単なる囲いではなく、あなたのライフスタイルに合わせた最高のユーティリティスペースを創り上げることができるのです。

結論:「部屋」と「便利な囲い」、どちらを選びますか?

ここまで、「ベランダを部屋にする」ための様々な方法について解説してきました。最後に、あなたがどちらの道を選ぶべきか、改めて整理してみましょう。

もし、あなたが求めているのが「寝室や書斎として使える、完璧な居住空間」であり、そのために150万円以上の予算と数ヶ月の工事期間をかける覚悟があるのなら、選ぶべきは「本格的な増築」です。それは、あなたの家に新しい価値を加える、大きな投資となるでしょう。

一方で、もしあなたの目的が「天候や花粉を気にせず、毎日快適に洗濯物を干したい」「今のベランダを、もっと安全で便利な趣味やリラックスの空間として活用したい」ということであれば、LIXILのテラス囲い「サニージュ」が非常に賢明な選択肢となります。増築に比べて費用と時間を大幅に抑えながら、日々の暮らしの質を劇的に向上させることができます。ただし、そのためにはご自宅のバルコニーが、先ほどご説明した厳しい設置条件をクリアしている必要があります。

どちらが正解ということはありません。大切なのは、あなたの予算、ライフスタイル、そして何よりも「その空間で何をしたいのか」という目的を明確にすることです。この記事が、そのための判断材料となれば幸いです。

あなたのベランダが、サニージュを設置できる条件を満たしているか、そして、どのような暮らしの変化が期待できるか。私たちコウケンNETの専門家にまずはお気軽にご相談ください。

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    この記事を書いた人

    リクシルのエクステリア商品の専門家。
    約20年、外構エクステリア業界に携わっています。
    日本全国のお客様と60,000件以上関わらせてもらいました。
    使い勝手が良く、コストを下げる提案が得意です。

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